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クラ・うら・俱楽部~パッヘルベルのカノンの場合②~

前回は、カノンの最も多い演奏現場での悟り事情をお伝えしました。

今回はこのカノンがフォーマルな雰囲気に合っている(つまり結婚式などで演奏されやすい)理由の1つをお伝えします。弦楽器奏者としてまず思い当たるのは、こういった曲を弾くときの音色の出し方。そして音程です。音程というと絶対音感という言葉のイメージもあり絶対的に唯一正しい音程が存在するかのようなイメージを持たれやすいかもしれませんが、アコースティックな演奏の場ではそうでもないのですね。例えば、小学校などでの演奏会。体育館のピアノの調律が合っていないとか、小学校の体育館でなくても地域の公民館や支配人があまりピアノを大切に扱ってくれないホテルのピアノとか、調律が合っていないピアノというのは世の中に五万とあり、それは現場に行ってみないと分からないことも多いのです。現地で軽いリハをしようと蓋を開けてみたら「この音とこの音がこんなふうに高くってこの音はこのくらい低くてこっちは鳴らなくて」というようなことも五万とあります。では音程が合っていないから弾けない??いえいえ、奏者たちはそういうときにも、そこまで気にならないように工夫し合って弾いています。音程って、実は音を構成する要素の1つ。音量とかタイミングとか、音の要素は他にもたくさんあります。

では、音程をカノンのときにどのようにするかというと。多くの弦楽器奏者は”あまりソリスティックではない、みんなでよく馴染む音程”にするかと思われます。ヴァイオリンのような音程を自らコントロールする楽器では「この音は少し高め、これは少し低め……」というような差を作り出したり、または自然な調和を目的として響きが溶け込むようにしたり、はたまた高めも低めもない平均的な取り方をしたりするのですが、私はこのような曲は調和を重視した音程を取ります。自分の音を際立たせる場合にはソリスティックな音程も取りますが、カノンはそうではない。全員が歩み寄って溶け込んでいく音程を取っていったら、このカノンは得も言われぬような正に”調和”の世界になっていく……この調和した姿こそがフォーマルな雰囲気に相応しいのだと思います。もちろん、音程だけでなく発音そのものも柔和な弾き方にしますが、音程って実は単なる音の高低ということを飛び越えて雰囲気そのものを醸し出すものでもあるのです。深いですね。

そういえば、前回ヴィオラとチェロは楽譜がなくたって弾けちゃうことをご紹介しましたが、このカノン、趣味の弦楽合奏の初歩で用いられることも少なくありません。それでどうなるかというと、例のカノン進行のおかげで曲の雰囲気は頭から終わりまで同じだから不慣れな方はどこを弾いているのか全く分からなくなるのだそうです(かわいそう)。楽譜通りに全員で同じタイミングでゴールするはずなのに1人だけ早く終わっていたりまだ終われなかったり!調和したくてもなかなか調和できない現実、仙人になるまで練習するしかない。これまた冷酷非情な現実、やぁねぇ。

では最後にカノンを3分ほどに短くアレンジした動画をお聴きください。演奏は私の多重録音。原曲を半分ほどの長さにしてみました⇒3分ほどのパッヘルベルのカノン

次回は3月に配信予定です!

クラ・うら・俱楽部~パッヘルベルのカノンの場合①~

クラシック音楽の裏側をコッソリ教えちゃう、クラ・うら・俱楽部。今回はかの名曲”パッヘルベルのカノン”について2回に分けてお伝えします。

パッヘルベルって誰?これだけでピンとくる人は少ないかもしれません。あの”カノン”の作曲者です。他の作品はほぼ知られていませんがこの”カノン”だけで十分著名人入りしている彼は1653年生まれ1706年没のバロック時代、現在のドイツの作曲家でした。カノンの作曲時期は不明です。

元々”カノン”とはメロディが順に追いかけっこする形式のことを指し、この曲のタイトルではありません。あまりに有名すぎる作品のため”カノン”と言えばパッヘルベルのこれを指すことが多く、それは例えばピアノといえばショパンみたいな?実際にはこの作品以外の”カノン”もあります。ヴァイオリン3部とチェンバロという編成で書かれているこの曲。ヴァイオリン3部というのは、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、第3ヴァイオリンの3つのヴァイオリンパートでそこに通奏低音と呼ばれるチェンバロが加わります。

なのですが、恐らく皆様がこの曲を生で聴いたことがあるとすれば実は違う編成での演奏のほうが圧倒的に多いのではないでしょうか。

実際に多いのは弦楽四重奏や弦楽合奏。特に弦楽四重奏は第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、の4人で構成され、高音から低音のバランスがとれているためしばしば用いられます。例えばホテルでのパーティにロビーコンサートにレストランに結婚式に……。めでたい雰囲気やフォーマルな場にはピッタリです。こういった場で演奏したことがある奏者も多そう、もしかしたら原曲の編成より経験が多いかもしれません。

ちなみに、弦楽四重奏での演奏の場合、チェロがずっと通奏低音でヴィオラがコードをピチカートということが多いのですが、これはポップスでも使われるいわゆる”カノン進行”そのものなので曲の頭から終わりまでずっと同じ繰り返しです。なので、こういった仕事ではチェロ・ヴィオラ奏者は楽譜がなくても”正しく弾けちゃう”のだとか!それだけ弾いて飽きないか?いえ、もうツマラナイ感情を超えて無心になるのだそうです。カノンにおいては仙人のような方が多いかもしれませんね。悟り開けちゃう。

次回は2/25(水)配信予定です!

クラ・うら・俱楽部~美しき青きドナウの場合②~

ワルツ王と呼ばれるヨハン・シュトラウス2世『美しき青きドナウ』について2回目のメルマガです。ググってもなかなか出てこない裏側をお楽しみください!(1回目の記事はこちら)。

さて、前回はこの曲の”弾きにくさ”をお伝えしました。

ところでこの人は父親も有名人ですね、父親の代表作『ラデツキー行進曲』はニューイヤーコンサートのアンコールの定番です。この親子は双方ともヴァイオリニストで自身も弾きながらオケを指揮したそうですが、正にオケを知り尽くした上で出てくる音楽なのでしょう。

彼らは恐ろしく仲が悪い親子で、いわゆるベートーヴェンやパガニーニの毒親とは違うタイプ、それも息子の商売を妨害する天敵でした。会場となる飲食店には圧力をかけ、マスコミも使おうとしたのだから天下のライバルです。なのですがそれでも息子のデビューコンサートは大成功、その後も”常に夜会服を着ている男”と言われるほど公演がひっきりなしだったというのだから大したものです。それになんていっても銅像が立てられたのも彼だしね!

それにしても改めて楽譜を眺めていると、例のメロディは曲の一番終わりにも出てきます。映画のワンシーンのように静けさをもった弦のトレモロから静かに始まるこのメロディは作品の締めにも相応しい。それだけ力があるのだからやはりこれは美しく弾きたい!(そして振り出しに戻る)。

余談ですが私が彼を気の毒だと感じることが1つあります。というのは、彼はこんなに素晴らしい音楽を書いているのに永遠に”息子”と呼ばれること。父親と同じ名前のためジュニアだの2世だの、1人のアーティストというよりウィーンのワルツ親子のイメージが大きいのですね。当時は家系を継ぐという意味で長男は父親と同じ名前を付けられることが多かったようですが、それでも同じ名前だと作品も混同しやすいですし、よほど詳しい方でないとヨハン・シュトラウスは1人だけだと思ってしまいそうです。ちなみにこの親子のみならず他の息子たちや甥っ子なども音楽家として活躍したため彼らを総称してシュトラウス・ファミリーと呼ばれます。

 もう一つ”裏側”として、この曲は第2ヴァイオリンやヴィオラはほぼ伴奏しかなくて、それはそれでとても右腕が疲れやすく肉体的に辛い曲だということをお伝えしておきましょう。同じことをずっと続けているのって筋肉が疲労しやすいのですよね。でも良い曲だからみんながんばって弾いています。

最後に、この曲を3分ほどに短くしたユア・オーケストラオリジナルアレンジ動画をご紹介します。音楽経験の有無を問わず、楽譜に馴染みがなくても耳コピで覚えやすいアレンジ、振っていて気持ち良さそうなところをメインに入れてあります。PCで作った音ですがぜひ一度お聴きください。来月はパッヘルベルのカノンについて配信予定です。ご期待ください!

クラ・うら・俱楽部~美しき青きドナウの場合①~

ワルツ王と呼ばれるヨハン・シュトラウス2世『美しき青きドナウ』について2回に分けてご紹介します。ググってもなかなか出てこない裏側をお楽しみください。

ヨハン・シュトラウス2世の『美しき青きドナウ』。2世というからには1世たる父親もいます(2回目でお伝えします)。1867年に書かれたこの作品は第二のウィーン国歌と呼ばれるほど親しまれ今や世界的な名曲といっても過言ではありません。ブラームスやワーグナーといった音楽室の強面たちも愛したと言われるこの名曲、早速NHK交響楽団による演奏をお聴きください。

良い曲ですねぇ。個人的にこういったウィンナワルツを弾くときは”ザ・美声”といった音色を大切にしています。もう声を聴くだけで落ちちゃうようなエルヴィス・プレスリーとか大自然に連れていかれるサラ・ブライトマンとか麗しい岩崎宏美さんといったイメージ?この世には美しいものしかないんだ!と思い込むような音色です。

では、2分28秒あたりからの第1ヴァイオリンにご注目下さい。

かの有名なこのメロディ。合いの手も第1ヴァイオリン群が弾いているのがお分かりでしょうか?

何と言っても、このふくよかな美しいメロディを弾いた直後に自分で合いの手を打つ!これを1人で弾けと言われたらとてもイヤでイヤでイヤで仕方ない作りです。

小さい音量ながらたっぷりとした音色で楽器を鳴らしたいこのメロディ、その直後軽い軽い合いの手に切り替え、またすぐ次のメロディ!完全に一人二役、間の休みが短いことが恨めしい。でもこの合いの手がいいのよ、合いの手が!正に伊達男と伊達女の世界、映画のスクリーンでしかお目にかからないような美男美女っぷりを音で魅せるのがオケの商売です。良かったぁ、これがソロじゃなくて。チャカチャカした超絶技巧より実はこういうお洒落を演出することのほうがずっと難しいのよ……1人じゃできないこともみんなで一緒ならできる!……と安心したところで次回に続きます。

クラ・うら・俱楽部~ベートーヴェンの場合②~

さて、前回ベートーヴェンから蔑まれた我らヴァイオリニスト群です。テーマは「楽譜の向こうから時空を越えてケンカ売ってくる!!!」

皆様、覚えていらっしゃるでしょうか。楽聖がヴァイオリニストに言い放ったあのセリフ。そう「音楽の精霊が語りかけてくるときに、君の哀れなヴァイオリンのことを考えていられるか」です。なんてこと言うんだ!私はともかく、ヴァイオリンがかわいそうじゃないか!

この方、なかなかお口が悪くて、

実際お貴族様に「俺の音楽のほうがお前らより上だ」って直接のたまったり(ケンカ売ってる)、その舌の根っこが乾かないうちに身分の低い女中さん方を散々差別したり(平民の我らきっとケンカ売られている)、ピアノの下にトイレ壺置いて人様を閉口させたり(口より鼻が悪いんじゃ)。

だからね、こういう精神の人だからやはり楽譜からもありありと伝わってくるような気がするのですよ、難しかろうがなんだろうが弾け。やれないとか言うな弾け。泣く暇があったら今弾け、弾けないのはお前が悪いんだから弾け、みたいな!あぁっ楽譜で頬を殴られている!

その第九。全曲で1時間ほどかかる長い作品ですが、拳が暗雲を突き抜けるような出だしの1楽章、ひたすら挑発的な2楽章(絶対どこかにケンカ売ってる……)ときて締めの4楽章であの有名な『歓喜の歌』に入るわけです。で、これの3楽章がまるで天国のように優しく柔らかく穏やかなんですね。『歓喜』は天国の先にある。それを音楽で実現してしまっているんだからもう我らはやられっぱなし、生まれる前から勝負なんてできるわけないのに未来永劫までケンカを売られているわけです。勝負したかったんだろうな、腕力じゃなくて音楽で。

さて、そんな人類の遺産とも言える第九。長くて長いからあの超有名なところだけ切り取って1分少々にまとめてみました!演奏は筆者アイティのヴァイオリンだけの録音です。ハハッ、私もなかなか勝負するじゃないか!良かったらお聴きください。

クラ・うら・俱楽部~ベートーヴェンの場合①~

今回はベートーヴェンについてです。そう、もう第九の時期ですね!第九自体のご説明はしませんが、あの長大な全曲をお聴き頂きながらご拝読いただけると嬉しいです。言葉じゃ説明できないベートーヴェンをお伝え致します。文章はあくまで筆者のイメージです。

早速ですが、ベートーヴェンに対していつもいつも思っていること。

それは「楽譜の向こうから時空を越えてケンカ売ってくる!!!」ということ。

この人に限らないことですが、とかく作曲家というのは”机上の論理”で作品を作っちゃあ演奏家に弾かせるものなんですね。で、すごく多いのが「いや……不可能ではないですがかなり不可能に近いです……」ってどこかの設計士と工場長のやり取りのようですが、実際そういうものも多い。クラシックの作品というと完璧に仕上がっているかのような印象が強いですが、本人以外にとっては机上の論理です。だから例えば半世紀ほどあとのブラームスなんかは、仲良しの演奏家たちに試演してもらっていたり、そうやって改作を重ねて発表していくわけです。もちろんそれでも難しい曲は難しいですけれども、このベートーヴェンという人は演奏家から難しい、と言われると

「音楽の精霊が語りかけてくるときに、君の哀れなヴァイオリンのことを考えていられるか」と答えたとか……哀れなんて言われている我らヴァイオリニスト群、ほんとにかわいそう。いやだってヴァイオリニストってある意味テクニックの首根っこもベートーヴェンに掴まれているようなものなんですよ!ヴァイオリンのお稽古の初期~中期で徹底して練習する教本を書いた人物はクロイツェルといってベートーヴェンが『クロイツェルソナタ』を献呈した人物でもあります(これも死ぬほど難しい嵐があって弾くたびに「なんで弾けたんだろ??」と私は不思議に思います)。ちなみにこの教本はものすごいソリストさんたちも大切にするような基礎中の基礎。つまりヴァイオリンを弾くということはクロイツェル教本と共に人生を歩むようなわけで、クロイツェルと言えばベートーヴェン……あぁ本当にかわいそう。楽聖に蔑まれたところで一旦終わります。第2回目は12/24配信予定!

過去の配信はこちら⇒記事一覧

クラ・うら・俱楽部~モーツァルトの場合②~

クラシックの裏側をコッソリ教えちゃう『クラ・うら・俱楽部』。前回からモーツァルトの難しさをコッソリ訴えております。「あなたが下手だから難しいんじゃ。」えっ、今更そんなこと言わないで!

さて、そのモーツァルトの難しさって具体的にどこがどう?と訊かれるとなんといってもギャップに尽きるなぁと思います。平和で幸福そうな曲調が多いから弾くほうもそうなんだと思われちゃう。でもさ、幸福そうな響きとか綺麗な音ってまず何から始まるかというと”ちゃんと楽器が鳴る”なんですよね。歌であっても喉という楽器を鳴らすこと。ここが始まりです。で、楽器を鳴らすというのは大きな音を出すということでもあって、この大きな音というのはある意味乱暴さとも近い場所にあるのです。ほら「怒鳴る」って大きな声ですよね。我々は子どもの頃から訓練を受けてきているので、乱暴さを排除して大きな音を出すことも徹底的に身につけています。そこはね、ヴァイオリンだったら弓のコントロールとか弓のコントロールとか弓のコントロールとか音程音程音程音程(良い音程だと楽器が鳴りやすいんですよ~)。

で、モーツァルトってこのコントロールがすごく繊細で、例えばチャイコフスキーの濃厚な「うぅぉをををを!!!」みたいな表現をしたあとだとやりにくい。なのでたいていのコンサートの曲順はこういったモーツァルトみたいな古典派からスタートして後半にチャイコフスキーのようなロマン派をもってきます。だってチャイコフスキーだったらむしろ乱暴さも味わいの一つだけどモーツァルトにはそれは似合わない。どんなに理不尽な流れでも弓は丁寧に余韻はほんわかほんわか即次の出だしはパシッと、あぁ~っ間に休符が欲しいよ~……あれ、これ地味に技巧的?ほら出番だよ、超絶技巧!!!

これはまるで彼の”ドギツイ内容をとってもチャーミングに愛らしくさぞかし美しくお皿に載せる天才でもあった”ってその人間性とギャップ。それはこんなテクニカルなところにまで反映されているような気がいたします。

そんなモーツァルトもユア・オーケストラで指揮してもらいたいから良かったらTシャツで応援してください!「クラシック黒作曲家シリーズ」1枚4,000円からです!このモーツァルトの画像からショップへリンクしています。

クラ・うら・俱楽部~チャイコフスキーの場合~

クラシック音楽の裏側をコッソリ教えちゃう無料メルマガ『クラ・うら・俱楽部』。このお試し記事ではチャイコフスキー『白鳥の湖』での体験をご紹介します。

悪魔ロットバルトによる呪いの悲劇、ついでに筆者にも悲劇的だったあの日。

それはある音大指揮科の試験で学生が指揮をする本番でした。曲目は『白鳥の湖』組曲。

リハも当日のみ、1日に何人もの学生の指揮で演奏します。同じ曲を。

悪魔ロットバルトは姫君オデットを永遠に白鳥の姿にしておきたくてたまりません。そこに真実の愛で立ち向かうオデットと王子ジークフリート。あの有名なオーボエの旋律は姫君の心からそして戦いへどんどん形を変え、弦楽器の中でも特にヴァイオリンはメロディから伴奏、雰囲気作りと出番はひっきりなしです。そして来たぞラスト、クライマックスの戦闘シーン!深夜の湖畔、悪魔VS人間の愛のバトル!愛よ呪いに打ち勝て!指揮科の彼らの想いを弓に乗せるんだ!そうして戦いは終わり主人公たちは夜明けを迎え……私たちの本番は終わらない。次の学生、もちろん物語の最初からです。えっ回復が間に合わないよ。指揮科は普段の授業ではピアノを指揮して学ぶことがほとんどで実際のオケを振れる機会は多くない、弾くほうは1つも気が抜けない、私たちの演奏で成績に影響が出たら元も子もないもの、フォルティッシモ!!!そうして戦いの度疲弊していく弦楽器たち……バレエではジークフリート王子がロットバルトの羽根をもいで飛べなくさせるけど私の腕もまるでもがれたかのように使えないよ……そしてまた次の試験へ……金管バーン!

当時はまだお仕事を始めて間もなくて、弾く要領も悪かったのですがそれにしても同じ曲を1日に何度も弾くものじゃありませんね。ギャラの3倍くらい弾いた気がする。ちなみに、曲目はこれだけでなくもう1曲と組み合わせて1人あたり大体40分くらいの演奏時間だったような気がいたしますが、疲れすぎてもう1曲がなんだったか学生さんが何人だったかも記憶にございません。

メルマガ『クラ・うら・俱楽部』ではこんな裏側を隔週でお伝えしていきます。

ご登録はユア・オーケストラ公式ショップページもしくは公式LINEから!

クラ・うら・俱楽部~モーツァルトの場合①~

長らくお待たせしました『クラ・うら・俱楽部』。初回はモーツァルトから始めることに致しました!ヴァイオリニストにとってモーツァルトと言えば鬼門。モーツァルトと言えば試験。「明るくて爽やかなイメージだよね♫」そう思われるように弾くことに命を賭けております。あぁ、でもモーツァルトにそんな必死さは似合わないんだ!2回に分けてお届けいたします。ググってもなかなか出てこない裏側をお楽しみください。

うん、モーツァルトはですね、難しい。もうこの一言に尽きます。きっとプロの方々でモーツァルトを簡単だと言う方はいないんじゃないかなぁ、超絶技巧というわけではないですけどね、でも超絶技巧が弾ける腕でないと弾けないような気がします。

で、この難しさをどうやったらお伝えできるか悶々と悩んでおったわけですが、あれです。

例えて言うなら丁寧に出汁をとった和食!あと女性で言えばナチュラルメイク!時間と手間がかかることで女性陣には有名ですね!あとパーマがいらないツヤツヤストレートヘアとか!こんなことを言うと、あの美しい響きになんて下世話な言い方するんだ、と叱られそうです。が、モーツァルト自身だって下世話お下品大好きだもんね、あの人ってドギツイ内容をとってもチャーミングに愛らしくさぞかし美しくお皿に載せる天才でもあったのです。もちろん全てがそうではないけど、その人間性を理解していないともうこのギャップには耐えられない……ここでは彼のお下品さを取り上げることは致しませんが(筆者の好みではない)、映画『アマデウス』には上手に描かれています。この映画、演奏も良いのでぜひご覧ください。ちなみに、筆者は出汁は昆布を水に浸けて終わりです。旨い和食は永遠にできない。残念なところで次回は11月26日配信です!

モーツァルトもユア・オーケストラで指揮してもらいたいから良かったらTシャツで応援してください!「クラシック黒作曲家シリーズ」1枚4,000円からです!このモーツァルトの画像からショップへリンクしています。

11/11ユア・オーケストラ メンバー表

ヴァイオリン

I.T Violin(コンサートミストレス)

3歳からヴァイオリンを始める。中学時代をマサチューセッツ州ボストンで過ごす。これまでに、朔望、G・ボーナフ、三木妙子、石井志都子の各氏に師事。

 

石亀希実   

埼玉県立大宮光陵高校音楽科を経て東京音楽大学器楽科卒業。在京プロオーケストラやミュージカル等で客演を務めるほか、アーティストのサポート、音楽番組、PV、映画音楽、CM、ゲーム曲のレコーディングなどに多数出演。また文化庁主催学校公演、未就学児向けコンサート、ランチタイムトークライブなど、幅広いジャンルで活動している。演奏家団体アンサンブルギルド所属。レガシィヴァイオリンコンクールソロの部銀賞、同年受賞者コンサートに出演。東京音楽大学コンクール 弦楽器部門入賞。浅井万水美、海野義雄、齋藤真知亜の各氏に師事した。

 

江里口奏子

国立音楽大学卒業。福岡県高等学校音楽コンクール弦楽器部門金賞受賞。全九州同コンクール銀賞受賞。日墺文化協会フレッシュコンサートにて管弦打楽器部門優秀賞受賞。JILA音楽コンクール弦楽器部門入賞。ロストロポーヴィチ国際音楽祭(モスクワチャイコフスキーホール)に横浜シンフォニエッタメンバーとして出演。

 

加藤美菜子 

東京音楽大学卒業、同大学院修了。Fugato academy festival 2013にて第3位入賞。ピアノトリオ「浅間山重奏」としても2014年長野県大賀ホールでコンサートを行い、長野県を中心に活動中。オーケストラ・トリプティーク、東京室内管弦楽団ヴァイオリン奏者。

 

加藤由晃 

5歳よりヴァイオリンを始める。東京音楽大学付属高校を経て、東京音楽大学へ入学。卒業後、プロオーケストラの客演出演や室内楽演奏会、クラシック以外にもレコーディングや音楽番組の収録、ライブサポートなどで活動。アマチュアオーケストラの指導や後進の指導にも力を注いでいる。これまでにヴァイオリンを関齋、玉置勝彦、山岡耕作、三戸泰雄、齋藤真知亜各氏に、室内楽を百武由紀、横山俊朗各氏に師事。

 

竹添みどり

鹿児島県出身。室内楽奏者として弦楽四重奏、ピアノトリオなど複数の室内楽団のヴァイオリニストとして演奏活動を展開している。2017年にNPO法人いろはリズムを設立し、子供のための音楽会も多く主催している。TrioVeilとしてCD『The First Selection』、2020年には2作目の『Delight』を発売中。

 

三宅政弘

兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクール ヴァイオリン部門 大阪大会 高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクール ヤングアーティスト部門 第三位。東京音楽大学コンクール 第三位。オーケストラトリプティーク コンサートマスター。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。

 

室井絵里

武蔵野音楽大学卒業。第33回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会奨励賞。2018年ウィーン国立音楽大学にてエリザベト・クロプフィッチ氏のマスタークラスを受講。カサブランカ国際音楽祭にて世界各国奏者合同管弦楽団のコンサートマスターを務める。キャラバン・ストリングスのコンサートマスターとして日本各地で演奏会を行うなど幅広く活動している。

 

 

ヴィオラ

 

東 義直

東京芸術大学音楽学部卒業。浅妻文樹、W.プリムローズの諸氏に師事。日弦協主催音楽コンクールにて特賞、プリムローズ賞受賞、第一位入賞。卒業後、同氏のもとで研鑽を積む。東京交響楽団および新日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者を歴任。ムジカ・プラクティカのメンバーをつとめ、NHK「現代の音楽」、TV朝日「題名のない音楽会」等に出演。ペーター・ダム氏、MJQのジョン・ルイス氏等と協演。アンサンブル・ライン代表。兵庫教育大学及び福島大学講師を歴任。

 

米納 真妃子 

東京音楽大学音楽学部器楽専攻(ヴィオラ)卒業。同大学院修了。これまでに、ヴィオラを河合訓子、百武由紀、ヴァイオリンを前澤均、室内楽を浦川宜也の各氏に師事。日本クラシック音楽コンクール大学の部、全国大会、特別審員賞。現在、在京オーケストラ客演奏者として演奏活動を行う他、室内楽、後進の指導も行っている。オーケストラトリプティーク団員。

 

 

チェロ

竹本聖子

福岡県出身。東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。オーケストラや室内楽での演奏、ラジオドラマや映画音楽、ショーでのライブ演奏、国内外の作曲家の新曲の初演など音楽、人との出会いを楽しみながら様々な演奏活動を行っている。「オーケストラ・トリプティーク」「淡座」メンバー。

 

藤塚紗也香

千葉県出身。愛知県立芸術大学音楽学部卒業。同大学院修士課程修了。イーストマン音楽学校夏期セミナーin浜松、原村室内楽セミナー他、国内外のマスタークラスを受講。これまでに、天野武子、河野文昭、平田昌平、三木敬之、ルドヴィート・カンタの各氏に師事。現在フリー奏者としてオーケストラ、室内楽を中心とした演奏活動を行っている。県央音楽家協会会員。

 

コントラバス

井上美冬

福岡県出身。東京音楽大学卒業。桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。東京音楽大学オーディション合学者による「ソロ・室内楽定期演奏会」にソロ部門で出演。2014年度東京音楽大学給費奨学生。小澤征爾音楽塾に参加。これまでにコントラバスを吉浦勝喜、永島義男、吉田秀の各氏に師事。

 

フルート

向井理絵

東京音楽大学卒業。同大学院修士課程修了。院在籍中にティーチングアシスタント、付属高校吹奏楽指導助手を、卒業後は東京音楽大学非常勤助手を1年務める。特別奨学生としてザルツブルクモーツァルテウム音楽院サマーアカデミー修了。フルートアンサンブル「ザ・ステップ」、オーケストラ・トリプティーク各メンバー。

 

オーボエ

石塚陽子

愛知県立芸術大学卒業。東京ミュージック&メディアアーツ尚美コンセルヴァトワールディプロマ科を修了後、同校にて演奏助手、教育研究員をつとめる。ヤマハ新人演奏会に出演。第14回KOBE国際音楽コンクールにて奨励賞を受賞。オーボエを寺岡稔、和久井仁、浦丈彦の各氏に師事。オーケストラ・トリプティークオーボエ奏者。

 

平田暢

東京音楽大学オーボエ科卒業。別府アルゲリッチ音楽祭、霧島国際音楽祭、南道国際音楽祭(韓国)を始め、国内外の音楽祭や演奏会にオーケストラ奏者として多数出演。これまでにオーボエを広田智之、辻功、安原理喜、藪恵美子の各氏に師事。現在はフリー奏者としてオーケストラでの演奏を中心に活動中。オーケストラ・トリプティークメンバー。

 

ファゴット

君塚広明

東京音楽大学卒業。大学卒業後桐朋学園大学嘱託演奏員を務める。これまでにファゴットを霧生吉秀、水谷上総、菅原眸、前田信吉の各氏に師事。現在主に日本各地のオーケストラの客演、スタジオ録音、後進の指導などで活動中。ズーラシアンブラスお友達プレイヤー。

 

磯さやか

千葉県出身。東京音楽大学卒業。在学中、特待生奨学金を得る。桐朋オーケストラアカデミー研修課程修了。第1回ファゴットコンクール入賞。現在The Orchestra Japanファゴット奏者。これまでにファゴットを河村幹子、水谷上総、霧生吉秀の各氏に師事。

 

ホルン

上杉幸代

12才でホルンを始める。東京音楽大学を卒業後、渡独。ミュンヘン市立リヒャルト・シュトラウス音楽院を経て国立ミュンヘン音楽大学にてマイスタークラスを修了する。在学中にアウクスブルク市立歌劇場オーケストラに入団。8年間在席したのち帰国し現在はフリーランス奏者として活動する。

 

山田愛

埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。同大学ソロ・室内楽定期演奏会、卒業演奏会に出演。桐朋学園オーケストラアカデミー研修課程修了。桐朋学園大学嘱託演奏員を務める。横須賀芸術劇場主催『フレッシュ・アーティスト fromヨコスカ リサイタルシリーズ』、『JTが育てるアンサンブルシリーズ』出演。アジアフィルハーモニーオーケストラアカデミー参加。これまでに守山光三、水野信行、猶井正幸、森博文、飯島さゆりの各氏に師事。現在、オーケストラや吹奏楽などを中心に演奏活動中。また後進の指導にもあたっている。