指揮

5/22 クラ・うら・俱楽部~春~

 

音楽を楽しんで頂くプロ、ユアオーケストラによる新しいお楽しみ。それは、クラシック音楽の裏側をお見せする俱楽部、名付けて「クラ・うら・俱楽部」開幕でございます。

では、この俱楽部では果たしてどのようなことを行うのか、その一端を動画でご紹介致します。

 

 

こういったトークを交えた演奏や、クイズコーナー、プロを振れちゃう指揮体験(!)などでお送りする「クラ・うら・俱楽部」

 

詳細は以下の通りです。

日時:5/22 14:00開演(13:30開場)

出演:ユアオーケストラ・カルテット

入場料:大人3,500円 学生2,500円(お支払いは当日受付にて現金のみ)

会場:広尾サロン(東京都渋谷区広尾5-12-3 Tomo,K’yon,Sビル)

 

さて、このクラ・うら・俱楽部。実は次の方々のご協力をもって開催が可能となりました。

 

~人と人をつなぎ夢を叶える~ ONOCASE

女性の社会進出を海を越えて手助けする虹色SCOOP

広尾サロン近隣女子大学学生有志

 

なんと、虹色SCOOPからはこの度特別にお客様へのプレゼントもご提供頂くこととなりました。それは……濃厚ミルクのような舌触りのアーモンドや一口だけでワインがすすむレーズンなどのオーガニックドライフルーツ手のひらサイズ詰め合わせ。この美味しさは決して文章では表すことができませんので、ぜひ会場でお受け取り下さい。当日は、ユア・オーケストラ特製グッズの販売もございます。

そして、最後にお伝えしておかないといけないとっておきのこと……会場内レストランにて「クラ・うら・俱楽部」をイメージしたシェフ特製メニューもご用意しております!(※予約限定メニューのため5/18までにご予約下さい。)

見て楽しい、聴いて楽しい、お口も嬉しい「クラ・うら・俱楽部」

 

※当日の感染対策について

 

ご予約は、このページ下部の問い合わせフォームの本文欄にお名前と人数をご入力の上送信下さいませ。こちらからの返信をもってご予約完了と致します。

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

 

     

    現場舞台袖ヒリヒリ百景③

    ~作曲家の意図にも思い悩む~

    皆様、クラシック演奏家の「現場事情」はご存知でしょうか。いつもサラッと弾いているかのように見えるプロの現場で行われていること……。ここでは、プロでないとなかなか感じられない現場での都合や不都合についてお伝えしていきます。

    我々クラシック音楽家には使命があります。

    それは、作曲家の意図を伝える。ということ。

    そのために何年も鍛錬し続けているのですが、使命を果たす際にどうしてもよく分からない難題を突き付けられることがあります。

    「これ、なんのためにここにアクセント記号が書いてあるんだろう。柔らかい雰囲気なのに鋭く弾いたらおかしいよね」「ここにフォルテ(大きく)と書いてあるけれども、その数小節後にもまたフォルテとある。じゃあ、その間は大きくなく弾くということ?具体的にどのくらい?ピアノ(小さく)?メゾピアノ(少し小さく)?」

    作曲家の意図が分からない。そんなことも多々あります。

    ここで必要となるのが、それぞれの作曲家についての知識です。例えば、ピアノ(小さく)と書いてあっても、作曲家によっては違う意味合いで使っていることがあります。少し雰囲気を変えて、だったり、ここから何か始まるように、だったり。私たちが習った音楽用語の意味だけではないのです。アクセントも同じように、ほんの少しの響きを足すような表情の付け方を求められているだけのものもあります。そういった知識はレッスンで習ったり、様々な研究書を読んだり、勉強会で学んだり……。黙っていても入ってくるようなものではなく「お金を払って学んだ結果偶然知ることができるものもある」のです。共演者とのリハーサルで得られるものもありますね。最新の研究に触れておくことも大切です。

    とはいえ、当時本当にそのように演奏されていたのかどうか、現代の我々には知るすべもなく、想像力で補うしかありません。何せ、演奏会場も楽器の状態もまるで違うのです。唯一の手がかりである楽譜だって、当時常識とされていたことは書かれていない(なんてこった)ことも!そりゃあそうですよね、我々だって、この文章は左から右に読むのですよ、なんて但し書きは記しません。

    「楽譜通り正確に弾く」ことを信条とし、作曲家の意図を伝えるという使命を果たすべく日夜努力し続けているのに、最後に必要になるのはなんてったって現場での想像力。が、知識がないと想像力も働かないから、結局のところ車の両輪だと言えます。つまり、道と同じで終わりがありません。なんてこった。

    現場舞台袖ヒリヒリ百景②

    ~モーツァルトの場合~

    皆様、クラシック演奏家の「現場事情」はご存知でしょうか。いつもサラッと弾いているかのように見えるプロの現場で行われていること……。ここでは、プロでないとなかなか感じられない現場での都合や不都合についてお伝えしていきます。

    モーツァルト。オーケストラや合奏では非常に演奏する機会が多い作曲家です。定番のアイネ・クライネ・ナハトムジークはもちろん、歌劇『フィガロの結婚』の序曲や交響曲の数々、ソリストを迎えた協奏曲も有名な作品が多いですね。

    さて、そんなモーツァルトですが実はヴァイオリニストにとっては「関門」でもあるのです。

    というのは、

    プロオーケストラの入団試験に使われるからです。

    プロオーケストラの入団試験では、協奏曲とオーケストラ曲の一部(オーケストラスタディと呼びます。略してオケスタ)を弾くのですが、この協奏曲にもオケスタにもモーツァルトが指定されることがとても多いのです。審査する側の団員さん方からすると「モーツァルトを聴けばどういう演奏をする人なのかよく分かる。」だとか。ちなみに、よく使われるオケスタは交響曲第39番4楽章です。

    なので、よく演奏する作品であっても私なんかは怖くなってしまうのですね。

    客席にプロオーケストラの団員さんがいるわけではないのですが、審査されるような気分になりそうです。

    なので、モーツァルトを演奏するとなったらしばらく時間をかけて弾き方を「調整」します。というのは、モーツァルトの作風はとってもシンプルで無駄がないぶん、ちょっとした演奏上の粗も目立ちやすいですし、そもそも繊細で透明感のある音色でないと。となると、普段の弾き方から変えていくことになります。他の作曲家の作品を荒っぽく弾いているわけではありませんが、チャイコフスキーのようなねっとりとしたロシアの雰囲気や情熱の薫り高いスペインの雰囲気とはまるで違う、極上のコンソメスープのような一品を目指すわけですから。(ボルシチも生ハムも好きです。)

    具体的には弓の圧力を軽めに、最初のアタックからの響きを重視して滑舌良くいきたいところです。そして、あの軽やかな雰囲気を演出するリズム!どうやったらこの指がそのように動いてくれるのか、いつも悩みどころです。

    そんな私が一番好きなモーツァルトのジャンルはピアノ協奏曲です。この人のピアノ協奏曲は、他の作曲家のそれとはまるで違う、独自の構成を持っているなぁと不思議で仕方ありません。もしかしたら、モーツァルトのピアノのような音色を出したいから好きなのかもしれません。だとすると永遠に手に入らない憧れの音色なのかな。なんとか手に入れたいものです。

    現場舞台袖ヒリヒリ百景①

    ~G線上のアリアの場合~

    皆様、クラシック演奏家の「現場事情」はご存知でしょうか。いつもサラッと弾いているかのように見えるプロの現場で行われていること……。ここでは、プロでないとなかなか感じられない現場での都合や不都合についてお伝えしていきます。

    さて、今回は先日ユアオーケストラで演奏したバッハ作曲管弦楽組曲第3番よりエア(通称G線上のアリア)についてです。

    この曲は2つの面で有名で、一つはバッハが書いた原曲である合奏曲。そしてもう一つは19世紀のヴァイオリニスト、ウィルヘルミという人が編曲したヴァイオリン独奏のための曲です。(独奏といいますが実際にはピアノ伴奏がつきます。)バッハが書いた合奏曲が大変美しく素晴らしかったためウィルヘルミが独奏用に編曲したのでしょうが、実は編曲の際に次のようなことが施されました。

    • 調性をニ長調からハ長調に変更
    • ヴァイオリンの一番低いG線一本のみで演奏

    これによりとても良い編曲となり、この曲は「G線上のアリア」として広く知られるようになりました。このタイトルもいいですよね。

    で、これをヴァイオリニストから眺めてみると。

    私が一番気を付けたいのは、音程の取り方です。

    独奏の場合、私は自分の音色が際立つようにそれぞれの音程をその音の雰囲気に合わせて取りますが、合奏の場合は溶け込まないといけません。ただでさえ、数多く演奏してきている独奏版での音程が無意識のうちに合奏でも出てきてしまいます。そうすると、合奏としてはうまく合わない。

    なので、弾きこんでいる曲であればあるほど、事前に音程をしっかり「調整」する必要があり、これがなかなか大変でもあるのです。もっと上手いプレイヤーの方々はそんなことないのかもしれませんが、不器用な私はそうではなく、一度身に付いたものを変えることは難しいのです。

    ちなみに、音の雰囲気に合わせて音程を取るというのは、言葉にすると「広めに取ったり狭く取ったり」となります。音程の間隔を広めにすると豊潤な雰囲気に聴こえたり、あるいは狭くすると内向的な切ない雰囲気が表現できたりするようで……。音程というものは擦弦楽器奏者にとっては永遠のテーマですね。

    またこの曲を演奏する機会があったら、どちらの形においても「良い音」を目指したいものです。

    お客様の声

    2021年1月23日に開催したユアオーケストラコンサートの指揮体験コーナーにご参加下さった二人のお客様のご感想と演奏シーンをご紹介致します。

    2021年1月23日、広尾サロンでのYour Orchestraスタートアップコンサートに「参加」させていただきました。指揮もできるということで、少し勇んで足を運びました。実は、この日、別のコンサートを聴く予定だったのですが、ご縁を感じそちらをキャンセルして伺った次第です。 会場に着くとたちまち、9人の皆さんが奏でる豊饒な響きに心を奪われてしまいました。コロナ禍で、クラシックファンはコンサートホールに行けない「飢え渇き」があったため、生音を聴くことのよさを再認識していることと思います。つまりは、何かのコピーではなく、一回限りの芸術体験ということですね。今回、私はまさに「快」の体験をさせていただきました。 指揮のほうはご指摘のあったとおり、曲が進むにつれてテンポが遅くなってしまったようです(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第1楽章)。音こそ出しませんが、指揮はまさに「演奏」だと思い知りました。 このような試みのコンサートはユニークで有意義だと思いますので、これからもぜひお続けください。今日はありがとうございました。~

    ~本日は図らずも、J. S. BACH の不朽の名作で弦楽オーケストラの指揮初演の経験を賜り誠にありがとうございました。私は中学高校で吹奏楽を経験しており、上級生の時に指揮をやっておりましたが、その経験以来数十年ぶりの指揮でございました。事前にカラヤンのYoutubeで予習していましたが、フルコースはABABの形式でして、本日はA部分だけでしたが十分堪能させていただきました。この音楽は人生の最終局面での達観した雰囲気を持っていると思いますが、走馬灯の様に思いを巡らした後の静けさの処理がポイントでしょうか。最後に対旋律も無く最終音の簡素な和音をいかに静かに美しく終わらせる事が出来るかどうかが重要だと思っております。是非素晴らしい作品を世の中に普及させましょう。~