モーツァルト

クラ・うら・俱楽部~モーツァルトの場合②

クラシックの裏側をコッソリ教えちゃう『クラ・うら・俱楽部』。前回からモーツァルトの難しさをコッソリ訴えております。「あなたが下手だから難しいんじゃ。」えっ、今更そんなこと言わないで!

さて、そのモーツァルトの難しさって具体的にどこがどう?と訊かれるとなんといってもギャップに尽きるなぁと思います。平和で幸福そうな曲調が多いから弾くほうもそうなんだと思われちゃう。でもさ、幸福そうな響きとか綺麗な音ってまず何から始まるかというと”ちゃんと楽器が鳴る”なんですよね。歌であっても喉という楽器を鳴らすこと。ここが始まりです。で、楽器を鳴らすというのは大きな音を出すということでもあって、この大きな音というのはある意味乱暴さとも近い場所にあるのです。ほら「怒鳴る」って大きな声ですよね。我々は子どもの頃から訓練を受けてきているので、乱暴さを排除して大きな音を出すことも徹底的に身につけています。そこはね、ヴァイオリンだったら弓のコントロールとか弓のコントロールとか弓のコントロールとか音程音程音程音程(良い音程だと楽器が鳴りやすいんですよ~)。

で、モーツァルトってこのコントロールがすごく繊細で、例えばチャイコフスキーの濃厚な「うぅぉをををを!!!」みたいな表現をしたあとだとやりにくい。なのでたいていのコンサートの曲順はこういったモーツァルトみたいな古典派からスタートして後半にチャイコフスキーのようなロマン派をもってきます。だってチャイコフスキーだったらむしろ乱暴さも味わいの一つだけどモーツァルトにはそれは似合わない。どんなに理不尽な流れでも弓は丁寧に余韻はほんわかほんわか即次の出だしはパシッと、あぁ~っ間に休符が欲しいよ~……あれ、これ地味に技巧的?ほら出番だよ、超絶技巧!!!

これはまるで彼の”ドギツイ内容をとってもチャーミングに愛らしくさぞかし美しくお皿に載せる天才でもあった”ってその人間性とギャップ。それはこんなテクニカルなところにまで反映されているような気がいたします。

そんなモーツァルトもユア・オーケストラで指揮してもらいたいから良かったらTシャツで応援してください!「クラシック黒作曲家シリーズ」1枚4,000円からです!このモーツァルトの画像からショップへリンクしています。

クラ・うら・俱楽部~モーツァルトの場合①

長らくお待たせしました『クラ・うら・俱楽部』。初回はモーツァルトから始めることに致しました!ヴァイオリニストにとってモーツァルトと言えば鬼門。モーツァルトと言えば試験。「明るくて爽やかなイメージだよね♫」そう思われるように弾くことに命を賭けております。あぁ、でもモーツァルトにそんな必死さは似合わないんだ!2回に分けてお届けいたします。ググってもなかなか出てこない裏側をお楽しみください。

うん、モーツァルトはですね、難しい。もうこの一言に尽きます。きっとプロの方々でモーツァルトを簡単だと言う方はいないんじゃないかなぁ、超絶技巧というわけではないですけどね、でも超絶技巧が弾ける腕でないと弾けないような気がします。

で、この難しさをどうやったらお伝えできるか悶々と悩んでおったわけですが、あれです。

例えて言うなら丁寧に出汁をとった和食!あと女性で言えばナチュラルメイク!時間と手間がかかることで女性陣には有名ですね!あとパーマがいらないツヤツヤストレートヘアとか!こんなことを言うと、あの美しい響きになんて下世話な言い方するんだ、と叱られそうです。が、モーツァルト自身だって下世話お下品大好きだもんね、あの人ってドギツイ内容をとってもチャーミングに愛らしくさぞかし美しくお皿に載せる天才でもあったのです。もちろん全てがそうではないけど、その人間性を理解していないともうこのギャップには耐えられない……ここでは彼のお下品さを取り上げることは致しませんが(筆者の好みではない)、映画『アマデウス』には上手に描かれています。この映画、演奏も良いのでぜひご覧ください。ちなみに、筆者は出汁は昆布を水に浸けて終わりです。旨い和食は永遠にできない。残念なところで次回は11月26日配信です!

モーツァルトもユア・オーケストラで指揮してもらいたいから良かったらTシャツで応援してください!「クラシック黒作曲家シリーズ」1枚4,000円からです!このモーツァルトの画像からショップへリンクしています。

お客様の声

2021年1月23日に開催したユアオーケストラコンサートの指揮体験コーナーにご参加下さった二人のお客様のご感想と演奏シーンをご紹介致します。

2021年1月23日、広尾サロンでのYour Orchestraスタートアップコンサートに「参加」させていただきました。指揮もできるということで、少し勇んで足を運びました。実は、この日、別のコンサートを聴く予定だったのですが、ご縁を感じそちらをキャンセルして伺った次第です。 会場に着くとたちまち、9人の皆さんが奏でる豊饒な響きに心を奪われてしまいました。コロナ禍で、クラシックファンはコンサートホールに行けない「飢え渇き」があったため、生音を聴くことのよさを再認識していることと思います。つまりは、何かのコピーではなく、一回限りの芸術体験ということですね。今回、私はまさに「快」の体験をさせていただきました。 指揮のほうはご指摘のあったとおり、曲が進むにつれてテンポが遅くなってしまったようです(アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク第1楽章)。音こそ出しませんが、指揮はまさに「演奏」だと思い知りました。 このような試みのコンサートはユニークで有意義だと思いますので、これからもぜひお続けください。今日はありがとうございました。~

~本日は図らずも、J. S. BACH の不朽の名作で弦楽オーケストラの指揮初演の経験を賜り誠にありがとうございました。私は中学高校で吹奏楽を経験しており、上級生の時に指揮をやっておりましたが、その経験以来数十年ぶりの指揮でございました。事前にカラヤンのYoutubeで予習していましたが、フルコースはABABの形式でして、本日はA部分だけでしたが十分堪能させていただきました。この音楽は人生の最終局面での達観した雰囲気を持っていると思いますが、走馬灯の様に思いを巡らした後の静けさの処理がポイントでしょうか。最後に対旋律も無く最終音の簡素な和音をいかに静かに美しく終わらせる事が出来るかどうかが重要だと思っております。是非素晴らしい作品を世の中に普及させましょう。~