yourorchestra

音楽エッセイ「頭がクルクルするの」

それを言われた一瞬、私は彼女が不愉快な思いになったのかと思った。

私が朝からほんの数時間、ブツブツ独り言を放ちながら練習していたあとのお昼に、そう言われたのだから。

 

「アイティの練習を聴いているとね、なんだか頭がクルクルするの」

 

私はその頃、このユア・オーケストラの準備のため関東平野の成れの果てのような立地の母宅を飛び出し都内のホテル連泊から金銭的事情のため友人のシンガーゆうこさん(仮名)がタレントやモデルのために運営するシェアハウスにお世話になっていたところだった。日中、彼女らの活動の邪魔にならない範囲ならば練習も可能……その条件に飛びついて私はそこにいた。

 

彼女は、拭き掃除をする手を止めないで話していた。

「うん、なんかね、頭の回転がクルクルはやくなる気がするの」「クラシックってこうなんだね。この感覚、好き」

 

上背が高くファッショナブルな出で立ちを保つ彼女が口にする、素朴なクラシック音楽への感想。私は「あぁそうね」「全てのクラシック音楽がそうだとは思わないけれども、数百年もの間残って未だに演奏され聴きたい人がいる作品というのは、そういう力があるんだと思うし、その普遍性が愛されてきているんじゃないかな」

そう答えながら、いかにしてよりクラシック音楽を知ってもらうか考えていた。

 

例えば、こんなのはどうだ?

 

シューベルトの交響曲第5番。今回のメインプログラムだ。フレンチのコースでいったら、正にメイン。今回のプログラムをコースに例えるとそうだな。前菜、スープはヴィヴァルディの四季。モーツァルトは野菜のポワレか。メインディッシュは帆立か白身魚だろうな。デザートは軽やかなムースかゼリー。スープはもしかしたらポタージュかもしれない、ヴィヴァルディの四季のラストの「冬」に合わせたらきっとそうだ。

 

このメニューの内訳をこのように表現してみよう。

 

ヴィヴァルディの四季は、バロック時代と言われる頃に書かれ、端的にお伝えするとその響きは軽やかでなんともメインディッシュには難しい。その代わりに、季節感は「四季」というタイトル以上だ。寒暖差が増してきた今日この頃は「冬」の第2楽章が恋しい、けどこの冬は大自然の過酷さを描いているから、こんな厳しい音楽がメインディッシュに来られちゃたまらん、というわけだ。

モーツァルトのこの作品は、きっと彼がトランペットの音を聴いて酷い拒絶反応を示したような頃の作品だろうな、彼にとって”良い音の楽器”しか好きでなかったらしい。かと言って幼い感性ばかりかというとそうではない。大人になってからの作品にも通じるリズムを発見したとき私は鳥肌が立ったものだった、これぞ天才、と。で、短くて軽いから野菜のポワレ。サラダよりはずっと味わい深いから。

 

そうして、メインのシューベルト。

これは、なんだ?

 

若草が茂る草原を踏む、彼は前に行く、夢があるから。

行った先で、彼は浸る。自分が思い描く女性と、遥か遠く離れた母親へ。

理不尽な戦い、これも我が身に起こったことだ、迎え撃つさ、その先のために。

母さん、ここには幸せしかないよ!僕は幸せを手に入れた、妻となる女性と共に!これから色んなことがあるだろう、その全てを愛するさ、なんたって僕は幸せなんだから!

 

これは、私がこのシューベルトの5番から感じた物語なのだが、これをメインディッシュにするならばやはりあまり重くない調理なのでは?でないとその先(家庭生活が)続かないよね?と感じ、帆立や白身魚なんだと思う。で、デザートも今の時期ならばチョコレートが効いたムース、タルト生地。胡桃のタルトでもいい。ここで果実にすると、ヴィヴァルディの四季の季節感を邪魔しそうだ、何しろ相手は数百年を経ているからな、これぞ傑作、人類の遺産。これだけで乾杯したい気分になるくらいだ。

 

このコースで物足りない人は、メインディッシュにブラームスが置かれているプログラムを聴きに行かれるといいだろう。赤ワインで煮込んだ牛肉に生クリームを使ったソースの味わいがするよ。そしてデザートのアンコールにはブランデーの薫り漂う小さめのお菓子のような曲が用意されているから。

 

そう、クラシック音楽とはこのように、いかようにでも言葉を置き換えられ自由に想像ができる音楽なのです。少なくとも私にはそうだ、シューベルトの一楽章はあのアルテュール・ランボーの「感覚」のような景色だし、書かれた変ロ長調は柔らかくてまるでふんわりとしたガウンみたい。はやくお風呂に入ってゆったりとガウンに身を包まれたいな、お気に入りのパジャマの上に。

 

 

 

文責:田中幾子

 

 

11/11 プログラムノート

ヴィヴァルディ 合奏協奏曲「四季」

 

ヴィヴァルディは、17世紀イタリアで活躍したヴァイオリニストで孤児院の先生でした。数百曲を超えるヴァイオリン曲を残しており、それは孤児院の女の子たちが音楽で生計を立てられるようにと教育目的のため一人一人に合わせて作曲されました。今回演奏する「四季」の他、ヴァイオリン習得者が練習する協奏曲などで知られています。「四季」はその名の通り、春夏秋冬をテーマとした4つの作品から成ります。それぞれ、最初の部分は急速で、真ん中の部分はゆったりと流れ、最後はまた急速に終わります。今回の「四季」には詩がついているのでご紹介します。なお、詩の作者は明らかになっていません。

 

春がやってきた、小鳥は喜び囀りながら祝っている。小川のせせらぎ、風が優しく撫でる。春を告げる雷が轟音を立て黒い雲が空を覆う、そして嵐は去り小鳥は素晴らしい声で歌う。

牧草地に花は咲き乱れ、空に伸びた枝の茂った葉はガサガサ音を立てる。羊飼は眠り、忠実な猟犬は(私の)そばにいる。

陽気なバグパイプにニンフと羊飼いが明るい春の空の下で踊る。

 


かんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人と羊の群れはぐったりしている。松の木も燃えそうに熱い。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトの囀りが聞える。北風がそよ風を突然脇へ追い払う。やって来る嵐が怖くて慄く。
稲妻と雷鳴の轟きで眠るどころではない、ブヨやハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。
嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と雹(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。

小作農のダンスと歌小作農たちが収穫が無事に終わり大騒ぎ。ブドウ酒が惜しげなく注がれる。彼らは、ほっとして眠りに落ちる。
大騒ぎは次第に弱まり、酒はすべての者を無意識のうちに眠りに誘う。
夜明けに、狩猟者が狩猟の準備の為にホルンを携え、犬を従える。獲物は彼らが追跡している間逃げる。やがて傷つき獲物は犬と奮闘して息絶える。

 

寒さの中で身震いしている。足の冷たさを振り解くために歩き回る。辛さから歯が鳴る。

外は大雨が降っている、中で暖炉で満足そうに休息。

ゆっくりしたテンポで平和な時間が流れる。

私たちはゆっくりと用心深く、つまづいて倒れないようにして氷の上を歩く。しかし突然、滑って氷に叩きつけられた。氷が裂けて割れ、頑丈なドアから出ると外はシロッコと北風がビュービューと吹いていく。そんな冬であるが、もうすぐ楽しい春がやってくる。

モーツァルト  交響曲第1番

言わずと知れた大天才、モーツァルトによるこの作品は1764年頃、彼がわずか8歳の頃に作曲されました。神童モーツァルトの名が知れ渡ってきていましたがまだ作曲は始めたばかりという時期です。急速な第1楽章、突如ゆったりとした第2楽章、また明るい第3楽章の三つで成り立っています。この作品で用いられている変ホ長調は、その後大人になってからの傑作の一つ交響曲第39番と同じ、その調の響きを幼い頃に持っていたということに驚かされます。

 

シューベルト  交響曲第5番

シューベルトといえば「未完成」。「未完成」という不安定な言葉がそのまま当てはまるような生涯を送った人でした。それでも実際は男女問わずモテモテで、現代に語り継がれる悲哀なエピソードは当時のウィーン社会としてはさほど悲哀でもなかったのだとか。何しろ、孫子三代にわたるまで借金を残すのが普通だったとも言われる時代背景です。平均寿命も現代より遥かに短く、医学も恐ろしく進んでいませんでした。何を持ってして彼を不幸だと言っていいのか分からなくなりますが、この交響曲はとにかく幸せな表現に包まれ、1816年彼が19歳のときに書いたということからこの人も本当に天才だなぁと思います。なお、モーツァルトのライバル(?)として名が残っているサリエリに師事していました。この作品は4つの部分から成り立ち、急速で希望に満ちたような第1楽章、しっとりと歌い上げる第2楽章には「未完成」を彷彿とさせるような陰りも見え隠れしています。第3楽章には強靭さが表され、最後は愉快な気分の第4楽章でしめられ、終わりとなります。

 

11/11ユア・オーケストラ メンバー表

ヴァイオリン

I.T Violin(コンサートミストレス)

3歳からヴァイオリンを始める。中学時代をマサチューセッツ州ボストンで過ごす。これまでに、朔望、G・ボーナフ、三木妙子、石井志都子の各氏に師事。

 

石亀希実   

埼玉県立大宮光陵高校音楽科を経て東京音楽大学器楽科卒業。在京プロオーケストラやミュージカル等で客演を務めるほか、アーティストのサポート、音楽番組、PV、映画音楽、CM、ゲーム曲のレコーディングなどに多数出演。また文化庁主催学校公演、未就学児向けコンサート、ランチタイムトークライブなど、幅広いジャンルで活動している。演奏家団体アンサンブルギルド所属。レガシィヴァイオリンコンクールソロの部銀賞、同年受賞者コンサートに出演。東京音楽大学コンクール 弦楽器部門入賞。浅井万水美、海野義雄、齋藤真知亜の各氏に師事した。

 

江里口奏子

国立音楽大学卒業。福岡県高等学校音楽コンクール弦楽器部門金賞受賞。全九州同コンクール銀賞受賞。日墺文化協会フレッシュコンサートにて管弦打楽器部門優秀賞受賞。JILA音楽コンクール弦楽器部門入賞。ロストロポーヴィチ国際音楽祭(モスクワチャイコフスキーホール)に横浜シンフォニエッタメンバーとして出演。

 

加藤美菜子 

東京音楽大学卒業、同大学院修了。Fugato academy festival 2013にて第3位入賞。ピアノトリオ「浅間山重奏」としても2014年長野県大賀ホールでコンサートを行い、長野県を中心に活動中。オーケストラ・トリプティーク、東京室内管弦楽団ヴァイオリン奏者。

 

加藤由晃 

5歳よりヴァイオリンを始める。東京音楽大学付属高校を経て、東京音楽大学へ入学。卒業後、プロオーケストラの客演出演や室内楽演奏会、クラシック以外にもレコーディングや音楽番組の収録、ライブサポートなどで活動。アマチュアオーケストラの指導や後進の指導にも力を注いでいる。これまでにヴァイオリンを関齋、玉置勝彦、山岡耕作、三戸泰雄、齋藤真知亜各氏に、室内楽を百武由紀、横山俊朗各氏に師事。

 

竹添みどり

鹿児島県出身。室内楽奏者として弦楽四重奏、ピアノトリオなど複数の室内楽団のヴァイオリニストとして演奏活動を展開している。2017年にNPO法人いろはリズムを設立し、子供のための音楽会も多く主催している。TrioVeilとしてCD『The First Selection』、2020年には2作目の『Delight』を発売中。

 

三宅政弘

兵庫県立西宮高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。全日本学生音楽コンクール ヴァイオリン部門 大阪大会 高校の部 第一位。江藤俊哉ヴァイオリンコンクール ヤングアーティスト部門 第三位。東京音楽大学コンクール 第三位。オーケストラトリプティーク コンサートマスター。これまでに、竹本洋、後藤維都江、山本彰、辻井淳、東儀幸、田中千香士、海野義雄、横山俊朗の各氏に師事。

 

室井絵里

武蔵野音楽大学卒業。第33回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会奨励賞。2018年ウィーン国立音楽大学にてエリザベト・クロプフィッチ氏のマスタークラスを受講。カサブランカ国際音楽祭にて世界各国奏者合同管弦楽団のコンサートマスターを務める。キャラバン・ストリングスのコンサートマスターとして日本各地で演奏会を行うなど幅広く活動している。

 

 

ヴィオラ

 

東 義直

東京芸術大学音楽学部卒業。浅妻文樹、W.プリムローズの諸氏に師事。日弦協主催音楽コンクールにて特賞、プリムローズ賞受賞、第一位入賞。卒業後、同氏のもとで研鑽を積む。東京交響楽団および新日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者を歴任。ムジカ・プラクティカのメンバーをつとめ、NHK「現代の音楽」、TV朝日「題名のない音楽会」等に出演。ペーター・ダム氏、MJQのジョン・ルイス氏等と協演。アンサンブル・ライン代表。兵庫教育大学及び福島大学講師を歴任。

 

米納 真妃子 

東京音楽大学音楽学部器楽専攻(ヴィオラ)卒業。同大学院修了。これまでに、ヴィオラを河合訓子、百武由紀、ヴァイオリンを前澤均、室内楽を浦川宜也の各氏に師事。日本クラシック音楽コンクール大学の部、全国大会、特別審員賞。現在、在京オーケストラ客演奏者として演奏活動を行う他、室内楽、後進の指導も行っている。オーケストラトリプティーク団員。

 

 

チェロ

竹本聖子

福岡県出身。東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。オーケストラや室内楽での演奏、ラジオドラマや映画音楽、ショーでのライブ演奏、国内外の作曲家の新曲の初演など音楽、人との出会いを楽しみながら様々な演奏活動を行っている。「オーケストラ・トリプティーク」「淡座」メンバー。

 

藤塚紗也香

千葉県出身。愛知県立芸術大学音楽学部卒業。同大学院修士課程修了。イーストマン音楽学校夏期セミナーin浜松、原村室内楽セミナー他、国内外のマスタークラスを受講。これまでに、天野武子、河野文昭、平田昌平、三木敬之、ルドヴィート・カンタの各氏に師事。現在フリー奏者としてオーケストラ、室内楽を中心とした演奏活動を行っている。県央音楽家協会会員。

 

コントラバス

井上美冬

福岡県出身。東京音楽大学卒業。桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。東京音楽大学オーディション合学者による「ソロ・室内楽定期演奏会」にソロ部門で出演。2014年度東京音楽大学給費奨学生。小澤征爾音楽塾に参加。これまでにコントラバスを吉浦勝喜、永島義男、吉田秀の各氏に師事。

 

フルート

向井理絵

東京音楽大学卒業。同大学院修士課程修了。院在籍中にティーチングアシスタント、付属高校吹奏楽指導助手を、卒業後は東京音楽大学非常勤助手を1年務める。特別奨学生としてザルツブルクモーツァルテウム音楽院サマーアカデミー修了。フルートアンサンブル「ザ・ステップ」、オーケストラ・トリプティーク各メンバー。

 

オーボエ

石塚陽子

愛知県立芸術大学卒業。東京ミュージック&メディアアーツ尚美コンセルヴァトワールディプロマ科を修了後、同校にて演奏助手、教育研究員をつとめる。ヤマハ新人演奏会に出演。第14回KOBE国際音楽コンクールにて奨励賞を受賞。オーボエを寺岡稔、和久井仁、浦丈彦の各氏に師事。オーケストラ・トリプティークオーボエ奏者。

 

平田暢

東京音楽大学オーボエ科卒業。別府アルゲリッチ音楽祭、霧島国際音楽祭、南道国際音楽祭(韓国)を始め、国内外の音楽祭や演奏会にオーケストラ奏者として多数出演。これまでにオーボエを広田智之、辻功、安原理喜、藪恵美子の各氏に師事。現在はフリー奏者としてオーケストラでの演奏を中心に活動中。オーケストラ・トリプティークメンバー。

 

ファゴット

君塚広明

東京音楽大学卒業。大学卒業後桐朋学園大学嘱託演奏員を務める。これまでにファゴットを霧生吉秀、水谷上総、菅原眸、前田信吉の各氏に師事。現在主に日本各地のオーケストラの客演、スタジオ録音、後進の指導などで活動中。ズーラシアンブラスお友達プレイヤー。

 

磯さやか

千葉県出身。東京音楽大学卒業。在学中、特待生奨学金を得る。桐朋オーケストラアカデミー研修課程修了。第1回ファゴットコンクール入賞。現在The Orchestra Japanファゴット奏者。これまでにファゴットを河村幹子、水谷上総、霧生吉秀の各氏に師事。

 

ホルン

上杉幸代

12才でホルンを始める。東京音楽大学を卒業後、渡独。ミュンヘン市立リヒャルト・シュトラウス音楽院を経て国立ミュンヘン音楽大学にてマイスタークラスを修了する。在学中にアウクスブルク市立歌劇場オーケストラに入団。8年間在席したのち帰国し現在はフリーランス奏者として活動する。

 

山田愛

埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科卒業。東京音楽大学卒業。同大学ソロ・室内楽定期演奏会、卒業演奏会に出演。桐朋学園オーケストラアカデミー研修課程修了。桐朋学園大学嘱託演奏員を務める。横須賀芸術劇場主催『フレッシュ・アーティスト fromヨコスカ リサイタルシリーズ』、『JTが育てるアンサンブルシリーズ』出演。アジアフィルハーモニーオーケストラアカデミー参加。これまでに守山光三、水野信行、猶井正幸、森博文、飯島さゆりの各氏に師事。現在、オーケストラや吹奏楽などを中心に演奏活動中。また後進の指導にもあたっている。

 

 

11/11 ユア・オーケストラ コンサート

オーケストラは聴くだけじゃない、 振るものだ。

 

指揮者になれる 、ユア・オーケストラ

 

ユア・オーケストラは、プロじゃなくても指揮者になれるオーケストラです。

今まで、その全貌が見えてこなかったユア・オーケストラ。11/11に音楽愛好家(そう、プロではありません)の方による指揮で開催します。演奏をするのは第一線で活躍しているプロフェッショナルな演奏家たち。彼らが音楽愛好家の方の音楽を奏でます。

 

日時 11/11(木) 18:00開場、19:00開演(18:30より今回の指揮者の方に特別インタビューを行います)

曲目 モーツァルト/交響曲第1番

シューベルト/交響曲第5番

ヴィヴァルディ/四季

指揮 音楽愛好家 戸田雅之氏

演奏 ユア・オーケストラ

入場料 1,000円(全席自由)

主催 I.Tism

協力 日本ロシア文化交流協会

ユア・オーケストラ メンバー表

プログラムノート

 

 

さくらホール感染対策ガイドライン

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    9/11 ユアオーケストラ・カルテットについて

    カルテット。

    4という数字のこの言葉は音楽においては違う意味を持ちます。

     

    それは「4人の奏者で演奏されるアンサンブル」ということ。

     

    さて、ユアオーケストラではオーケストラに最も近い最小形態としてこのカルテットでも活動しております。

    オーケストラに最も近いというのはどういうことかというと、

    ・オーケストラのように高音から低音まで出せる

    ・メロディや伴奏、内声の役割を分担できる

    簡単にご説明するとこのようなことでしょうか。

     

    特に演奏効果が高いのが弦楽器だけで構成するストリング・カルテット。

    今回は以下の4名で演奏致します。皆様に私たちの音楽をお聴き頂けることがとても楽しみです。

     

    1st Violin      I.T Violin

    数学者を父に持ち、3歳からヴァイオリンを始める。中学時代をマサチューセッツ州ボストンで過ごす。これまでに、朔望、G・ボーナフ、三木妙子、石井志都子の各氏に師事。

    2nd Violin  室井絵里

    武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科ヴァイオリン専攻卒業。第33回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会奨励賞。2018年ウィーン国立音楽大学にてエリザベト・クロプフィッチ氏のマスタークラスを受講。カサブランカ国際音楽祭にて世界各国奏者合同管弦楽団のコンサートミストレスを務める。コンサートミストレスとしてキャラバン・ストリングスを率いて日本各地で演奏会を行うなど幅広く活動している。

    Viola  東義直

    東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部卒業。
    ヴィオラ及び室内楽を浅妻文樹、 ウイリアム・プリムローズ氏に 師事。 日本弦楽指導者協会音楽コンクールにおいて特賞、プリムローズ賞受賞、第一位入賞。 卒業後、プリムローズ氏の許研鑽を積む。 東京交響楽団及び新日本フィルハーモニー交響楽団の首席奏者を歴任。 ムジカ・プラクティカのメンバーを努め、TV朝日「題名のない音楽会」Music Today(武満徹監修)等に出演。 サントリー美術館に於ける「音楽文化展」、現在継続中のアンサンブルライン主催「チャリティーコンサート」(フィリピン・ミンダナオ島のストリートチルドレンのために収益金のすべてを寄付)等の演奏並びに 企画構成に携わる。国際交流基金の主催事業でインド、デリー及びコルカタ(カルカッタ)にて演奏。 ペーター・ダム氏、MJQのジョン・ルイス氏等、芸大オケ(現 芸大フィル)、新日本フィルハーモニー交響楽団、東京シティー・フィルハーモニック管弦楽団、アマデウス室内管弦楽団、古典音楽協会等と協演する。 創設時から”しもたかフィル”を指導、指揮し、パインフラワー・コーラス、日本大学管弦楽団、プレジールオーケストラ、守谷アンサンブルオーケストラなどのアマチュア団体やプロの集団、銀河管弦楽団を指揮する。 また 一橋大学、福島大学等のオーケストラを指導している。
    論文に「Violin,ViolaにおけるVibratoの習得法と指導法に関する一考察」(共著)がある。 兵庫教育大学、福島大学の講師を歴任。アンサンブル・ライン代表。

    Violincello  竹本聖子

    福岡県出身。東京音楽大学卒業、同大学院修士課程修了。オーケストラや室内楽での演奏、ラジオドラマや映画音楽、ショーでのライブ演奏、国内外の作曲家の新曲の初演など音楽、人との出会いを楽しみながら様々な演奏活動を行っている。「オーケストラ・トリプティーク」「淡座」メンバー。

     

    ユア・オーケストラ グッズ販売のお知らせ

    ユア・オーケストラ特製グッズのご案内

     

    • 「クラ・うら・俱楽部」新曲楽譜(掲載曲:私のお気に入りのベートーヴェン、眠くなるカルメン他)
    • ユア・オーケストラ特製ノートブック

     

    楽譜にデザインされたのは、初回指揮者の方。堂々とした指揮姿をユア・オーケストラの顔としてデザインしました。

     

     

    ご購入ご希望の方は、ユア・オーケストラ主催イベントにてお買い求め下さい。

    また、通販も近日中に開始する予定です。

     

     

     

    5/22 クラ・うら・俱楽部~春~

     

    音楽を楽しんで頂くプロ、ユアオーケストラによる新しいお楽しみ。それは、クラシック音楽の裏側をお見せする俱楽部、名付けて「クラ・うら・俱楽部」開幕でございます。

    では、この俱楽部では果たしてどのようなことを行うのか、その一端を動画でご紹介致します。

     

     

    こういったトークを交えた演奏や、クイズコーナー、プロを振れちゃう指揮体験(!)などでお送りする「クラ・うら・俱楽部」

     

    詳細は以下の通りです。

    日時:5/22 14:00開演(13:30開場)

    出演:ユアオーケストラ・カルテット

    入場料:大人3,500円 学生2,500円(お支払いは当日受付にて現金のみ)

    会場:広尾サロン(東京都渋谷区広尾5-12-3 Tomo,K’yon,Sビル)

     

    さて、このクラ・うら・俱楽部。実は次の方々のご協力をもって開催が可能となりました。

     

    ~人と人をつなぎ夢を叶える~ ONOCASE

    女性の社会進出を海を越えて手助けする虹色SCOOP

    聖心女子大学学生有志

     

    なんと、虹色SCOOPからはこの度特別にお客様へのプレゼントもご提供頂くこととなりました。それは……濃厚ミルクのような舌触りのアーモンドや一口だけでワインがすすむレーズンなどのオーガニックドライフルーツ手のひらサイズ詰め合わせ。この美味しさは決して文章では表すことができませんので、ぜひ会場でお受け取り下さい。当日は、ユア・オーケストラ特製グッズの販売もございます。

    そして、最後にお伝えしておかないといけないとっておきのこと……会場内レストランにて「クラ・うら・俱楽部」をイメージしたシェフ特製メニューもご用意しております!(※予約限定メニューのため5/18までにご予約下さい。)

    見て楽しい、聴いて楽しい、お口も嬉しい「クラ・うら・俱楽部」

     

    ※当日の感染対策について

     

    ご予約は、このページ下部の問い合わせフォームの本文欄にお名前と人数をご入力の上送信下さいませ。こちらからの返信をもってご予約完了と致します。

    皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。

     

       

      現場舞台袖ヒリヒリ百景③

      ~作曲家の意図にも思い悩む~

      皆様、クラシック演奏家の「現場事情」はご存知でしょうか。いつもサラッと弾いているかのように見えるプロの現場で行われていること……。ここでは、プロでないとなかなか感じられない現場での都合や不都合についてお伝えしていきます。

      我々クラシック音楽家には使命があります。

      それは、作曲家の意図を伝える。ということ。

      そのために何年も鍛錬し続けているのですが、使命を果たす際にどうしてもよく分からない難題を突き付けられることがあります。

      「これ、なんのためにここにアクセント記号が書いてあるんだろう。柔らかい雰囲気なのに鋭く弾いたらおかしいよね」「ここにフォルテ(大きく)と書いてあるけれども、その数小節後にもまたフォルテとある。じゃあ、その間は大きくなく弾くということ?具体的にどのくらい?ピアノ(小さく)?メゾピアノ(少し小さく)?」

      作曲家の意図が分からない。そんなことも多々あります。

      ここで必要となるのが、それぞれの作曲家についての知識です。例えば、ピアノ(小さく)と書いてあっても、作曲家によっては違う意味合いで使っていることがあります。少し雰囲気を変えて、だったり、ここから何か始まるように、だったり。私たちが習った音楽用語の意味だけではないのです。アクセントも同じように、ほんの少しの響きを足すような表情の付け方を求められているだけのものもあります。そういった知識はレッスンで習ったり、様々な研究書を読んだり、勉強会で学んだり……。黙っていても入ってくるようなものではなく「お金を払って学んだ結果偶然知ることができるものもある」のです。共演者とのリハーサルで得られるものもありますね。最新の研究に触れておくことも大切です。

      とはいえ、当時本当にそのように演奏されていたのかどうか、現代の我々には知るすべもなく、想像力で補うしかありません。何せ、演奏会場も楽器の状態もまるで違うのです。唯一の手がかりである楽譜だって、当時常識とされていたことは書かれていない(なんてこった)ことも!そりゃあそうですよね、我々だって、この文章は左から右に読むのですよ、なんて但し書きは記しません。

      「楽譜通り正確に弾く」ことを信条とし、作曲家の意図を伝えるという使命を果たすべく日夜努力し続けているのに、最後に必要になるのはなんてったって現場での想像力。が、知識がないと想像力も働かないから、結局のところ車の両輪だと言えます。つまり、道と同じで終わりがありません。なんてこった。

      現場舞台袖ヒリヒリ百景②

      ~モーツァルトの場合~

      皆様、クラシック演奏家の「現場事情」はご存知でしょうか。いつもサラッと弾いているかのように見えるプロの現場で行われていること……。ここでは、プロでないとなかなか感じられない現場での都合や不都合についてお伝えしていきます。

      モーツァルト。オーケストラや合奏では非常に演奏する機会が多い作曲家です。定番のアイネ・クライネ・ナハトムジークはもちろん、歌劇『フィガロの結婚』の序曲や交響曲の数々、ソリストを迎えた協奏曲も有名な作品が多いですね。

      さて、そんなモーツァルトですが実はヴァイオリニストにとっては「関門」でもあるのです。

      というのは、

      プロオーケストラの入団試験に使われるからです。

      プロオーケストラの入団試験では、協奏曲とオーケストラ曲の一部(オーケストラスタディと呼びます。略してオケスタ)を弾くのですが、この協奏曲にもオケスタにもモーツァルトが指定されることがとても多いのです。審査する側の団員さん方からすると「モーツァルトを聴けばどういう演奏をする人なのかよく分かる。」だとか。ちなみに、よく使われるオケスタは交響曲第39番4楽章です。

      なので、よく演奏する作品であっても私なんかは怖くなってしまうのですね。

      客席にプロオーケストラの団員さんがいるわけではないのですが、審査されるような気分になりそうです。

      なので、モーツァルトを演奏するとなったらしばらく時間をかけて弾き方を「調整」します。というのは、モーツァルトの作風はとってもシンプルで無駄がないぶん、ちょっとした演奏上の粗も目立ちやすいですし、そもそも繊細で透明感のある音色でないと。となると、普段の弾き方から変えていくことになります。他の作曲家の作品を荒っぽく弾いているわけではありませんが、チャイコフスキーのようなねっとりとしたロシアの雰囲気や情熱の薫り高いスペインの雰囲気とはまるで違う、極上のコンソメスープのような一品を目指すわけですから。(ボルシチも生ハムも好きです。)

      具体的には弓の圧力を軽めに、最初のアタックからの響きを重視して滑舌良くいきたいところです。そして、あの軽やかな雰囲気を演出するリズム!どうやったらこの指がそのように動いてくれるのか、いつも悩みどころです。

      そんな私が一番好きなモーツァルトのジャンルはピアノ協奏曲です。この人のピアノ協奏曲は、他の作曲家のそれとはまるで違う、独自の構成を持っているなぁと不思議で仕方ありません。もしかしたら、モーツァルトのピアノのような音色を出したいから好きなのかもしれません。だとすると永遠に手に入らない憧れの音色なのかな。なんとか手に入れたいものです。