今回はベートーヴェンについてです。そう、もう第九の時期ですね!第九自体のご説明はしませんが、あの長大な全曲をお聴き頂きながらご拝読いただけると嬉しいです。言葉じゃ説明できないベートーヴェンをお伝え致します。文章はあくまで筆者のイメージです。
早速ですが、ベートーヴェンに対していつもいつも思っていること。
それは「楽譜の向こうから時空を越えてケンカ売ってくる!!!」ということ。
この人に限らないことですが、とかく作曲家というのは”机上の論理”で作品を作っちゃあ演奏家に弾かせるものなんですね。で、すごく多いのが「いや……不可能ではないですがかなり不可能に近いです……」ってどこかの設計士と工場長のやり取りのようですが、実際そういうものも多い。クラシックの作品というと完璧に仕上がっているかのような印象が強いですが、本人以外にとっては机上の論理です。だから例えば半世紀ほどあとのブラームスなんかは、仲良しの演奏家たちに試演してもらっていたり、そうやって改作を重ねて発表していくわけです。もちろんそれでも難しい曲は難しいですけれども、このベートーヴェンという人は演奏家から難しい、と言われると
「音楽の精霊が語りかけてくるときに、君の哀れなヴァイオリンのことを考えていられるか」と答えたとか……哀れなんて言われている我らヴァイオリニスト群、ほんとにかわいそう。いやだってヴァイオリニストってある意味テクニックの首根っこもベートーヴェンに掴まれているようなものなんですよ!ヴァイオリンのお稽古の初期~中期で徹底して練習する教本を書いた人物はクロイツェルといってベートーヴェンが『クロイツェルソナタ』を献呈した人物でもあります(これも死ぬほど難しい嵐があって弾くたびに「なんで弾けたんだろ??」と私は不思議に思います)。ちなみにこの教本はものすごいソリストさんたちも大切にするような基礎中の基礎。つまりヴァイオリンを弾くということはクロイツェル教本と共に人生を歩むようなわけで、クロイツェルと言えばベートーヴェン……あぁ本当にかわいそう。楽聖に蔑まれたところで一旦終わります。第2回目は12/24配信予定!
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