【美しき青きドナウの場合②】

ワルツ王と呼ばれるヨハン・シュトラウス2世『美しき青きドナウ』について2回目のメルマガです。ググってもなかなか出てこない裏側をお楽しみください!(1回目の記事はこちら)。

さて、前回はこの曲の”弾きにくさ”をお伝えしました。

ところでこの人は父親も有名人ですね、父親の代表作『ラデツキー行進曲』はニューイヤーコンサートのアンコールの定番です。この親子は双方ともヴァイオリニストで自身も弾きながらオケを指揮したそうですが、正にオケを知り尽くした上で出てくる音楽なのでしょう。

彼らは恐ろしく仲が悪い親子で、いわゆるベートーヴェンやパガニーニの毒親とは違うタイプ、それも息子の商売を妨害する天敵でした。会場となる飲食店には圧力をかけ、マスコミも使おうとしたのだから天下のライバルです。なのですがそれでも息子のデビューコンサートは大成功、その後も”常に夜会服を着ている男”と言われるほど公演がひっきりなしだったというのだから大したものです。それになんていっても銅像が立てられたのも彼だしね!

それにしても改めて楽譜を眺めていると、例のメロディは曲の一番終わりにも出てきます。映画のワンシーンのように静けさをもった弦のトレモロから静かに始まるこのメロディは作品の締めにも相応しい。それだけ力があるのだからやはりこれは美しく弾きたい!(そして振り出しに戻る)。

余談ですが私が彼を気の毒だと感じることが1つあります。というのは、彼はこんなに素晴らしい音楽を書いているのに永遠に”息子”と呼ばれること。父親と同じ名前のためジュニアだの2世だの、1人のアーティストというよりウィーンのワルツ親子のイメージが大きいのですね。当時は家系を継ぐという意味で長男は父親と同じ名前を付けられることが多かったようですが、それでも同じ名前だと作品も混同しやすいですし、よほど詳しい方でないとヨハン・シュトラウスは1人だけだと思ってしまいそうです。ちなみにこの親子のみならず他の息子たちや甥っ子なども音楽家として活躍したため彼らを総称してシュトラウス・ファミリーと呼ばれます。

 もう一つ”裏側”として、この曲は第2ヴァイオリンやヴィオラはほぼ伴奏しかなくて、それはそれでとても右腕が疲れやすく肉体的に辛い曲だということをお伝えしておきましょう。同じことをずっと続けているのって筋肉が疲労しやすいのですよね。でも良い曲だからみんながんばって弾いています。

最後に、この曲を3分ほどに短くしたユア・オーケストラオリジナルアレンジ動画をご紹介します。音楽経験の有無を問わず、楽譜に馴染みがなくても耳コピで覚えやすいアレンジ、振っていて気持ち良さそうなところをメインに入れてあります。PCで作った音ですがぜひ一度お聴きください。来月はパッヘルベルのカノンについて配信予定です。ご期待ください!

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