1/23 オケの始まり

それは変に気温が高い11月のある日だった。

彼女は知人のクラシックファンと演奏会に出かけ、帰り際に思わぬことを言われる。

「オーケストラを振ってみたい人間は山ほどいる。君が立ち上げてみたらどうだ?」

(私が、オーケストラを立ち上げる!)

その言葉に驚きを感じながら同時に将来へのワクワクした興奮が抑えられなかった。それは歩くだけでも汗をかくような妙に暑い天候と決して無関係ではなかった。ユアオーケストラ、という名称は帰りの電車で思いついた。ユアオケって呼んでもらおう。そんなアイディアまで出てきて楽しくて大変だった。

その日からおよそ3カ月。

「オーケストラは聴くだけじゃない。振るものだ。」を合言葉にユアオーケストラは始まった。

コロナ禍で最も打撃を受けやすい職業である演奏家たち。その彼らにとっても心地良い場としたい。指揮者となる音楽愛好家の方々には、心ゆくまで音楽を感じて頂きたい。このオーケストラで夢を奏でて頂けたら。

そんな思いでスタートしたところ、卓越した演奏家たちとこの上なく相性の良い会場と出会うこととなった。

あるメンバーは在学中に成績優秀なことから奨学金を得、あるメンバーは海外経験もあり、あるメンバーは斬新な試みで評価されているオーケストラのコンサートマスター。もちろん、プロオーケストラでも演奏しているしなんと首席だったメンバーもいる。そして、腕だけではなく音楽への志があるのだ。愛好家の方々に豊かな時間を感じて頂ける感性と実力の持ち主ばかりなのだ。

会場の広尾サロンKitchen麻布十番シェフはレストランでもあり、合奏が演奏できるスペースのサロンもあり地下にはロックスタジオまで併設している、音楽好きにはたまらない場所だ。店長の人の良さもあり、彼女は一目見たときからピン!ときた。

(私たちが音楽を紡いでいくとしたら、場所はここだ!)

そうして始まったユアオーケストラ。初回は彼女の知人であるクラシックファンが振った。そう、あの暑い日に彼女といた彼だ。

今までにない、音楽体験を。ユアオーケストラ。

続きはこちら→1/23 オケの始まり②

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